「トキ物語」 春山陽一著 中公文庫 1999年
単行本の発行は1985年。ということは小林照幸の「朱鷺の遺言」より
こちらが先だったということか。
新聞連載だったこともあり記録として優れていると感じたが、
「朱鷺の遺言」の読みやすさとドラマチックさによって
トキへの感心が大きく駆り立てられることになったので
小林照幸作品を先に読んでから、こちらを読んだのは結果的によかったと思う。
トキの全鳥捕獲の是非についてどうこう言える立場ではないが、この本を読むと
仮に全鳥捕獲をやらなければならなかったとしても、すでに遅すぎたということがわかる。
トキ絶滅は生育環境がなくなったからで、個体を捕まえたからといって何とかなるレベルではなかったのだろう。