春にして君を離れ
「春にして君を離れ」 アガサ・クリスティー著 早川書房
栗本薫の解説がなかったら、恐ろしいホラー小説として記憶に残っただろう。
あそこで夫のロドニーも悪いのだと指摘してくれたお陰で少し救われた。
家族のために尽くしてきたと固く信じている中年女性が、
旅先で実はそうではなかったと気づかされ、
帰ったら夫と新しい生活をスタートさせようと心に誓うのだが
結局そんなのは思い過ごしだったと自ら打ち消してしまい、
これまで通りの生活を送る・・・・というお話。
ある年齢以上の女性には結構怖い小説だろう。