Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

独裁者との交渉術

「独裁者との交渉術」 

明石康著 木村元彦インタビュー・解説 集英社 2010年

 

信頼する書き手・木村元彦氏のインタビュー。

カンボジアPKOユーゴスラビア紛争、

スリランカ問題における明石氏の仕事について尋ねた。

とにかく頭が良く知識がある人同士の会話で内容が濃い。

カンボジア問題に関してはかなりスッキリ理解できた。

ユーゴスラビアについては自分も米国寄りのセルビア極悪説に

洗脳されていたのかなと思った。

あとがきで今の日本人に対し、ぬるく心地良い悲観論から脱するべきだと言っていたのが印象に残った。

和平への道をひらくため紛争各国トップの話をよく聞き、公平であること、

情報を持つ様々な人の話を聞くこと、その上で自身がよく考えておこなった決断なら後悔する必要はないと述べていた。

「諸般の事情をよく考え意見も国籍も違う同僚たちの意見に十分に耳を傾けてから、その時点で最善の決断を自分が下したら、あとで正しかっただろうかなどと反省しないことにしている。大事なのは、そのときに考えられる一番よい、それしかない決心をすることで、それを慎重に丁寧にしたのであれば、後になって左見右見するのは未練たらしい」とも語っている。