Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

貧者の息子

「貧者の息子 カビリーの教師メンラド」

ムルド・フェラウン 水声社 2016年

 

貧者の息子 カビリーの教師メンラド (叢書《エル・アトラス》)

 

フランス植民地下のアルジェリアに生まれ、小学校教員として働きながら作家活動をした著者の自伝的小説。アルジェリアでは国民文学とされてきたという。カビリー人の独特な文化や慣習とともに閉ざされた世界での家族の物語が語られていく。

物語の最後、これからの人生について、自分に向いている仕事をし、できうる範囲で他人に親切にし、日々の生活の中から自分なりの教訓をひきだして歩んでいけば少なくとも悔いることはないだろう・・・というようなことが書かれていて、なるほどそうだなあと納得した。