Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

ブックセラーズ・ダイアリー

「ブックセラーズ・ダイアリー」

ショーン・バイセル著  矢倉尚子訳 白水社 2021年

 

ブックセラーズ・ダイアリー

 

クリスマス休暇で帰省した際に、故郷の古本屋を買ってしまった著者。アマゾンの攻勢など出版業界の変化を背景に、田舎の古書店の一筋縄ではいかない日々を綴る。

辛口なユーモアに満ちたショーンの書きっぷりが楽しい上、個性的すぎる客や従業員から目が離せない。特に店員のニッキーが最高。彼女がモリソンズの廃棄物入れから持ってくる食べ物(らしきもの)についてのショーンの表現が凄まじく、でも実際そう見えているのだろうと思うとおかしい。紙の本の将来が危ぶまれている昨今だが、本のある場所が存在することで人がつながり様々な文化を生み出していることが、よくわかった。