Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

聖ヨハネ病院にて・大懺悔

「聖ヨハネ病院にて・大懺悔」 

上林暁著 講談社 2015年

 

一人称の私小説は、人の話を聞いているようで存外に面白い。

川端康成の死について書いた「上野桜木町」、老いた妹について書いた「姫鏡台」、標題作「聖ヨハネ病院にて」が印象的。決して楽しい話ではないが、言葉が胸に刺さるように迫ってきて、読み進めてしまう。