「カレンダーの余白」 永井龍男著 講談社
昭和40年発行(44年6刷)の随筆集。
どれも味わい深い。
「近況」「カレンダーの余白」「人の印象」「応答一束」「身辺雑事」という
タイトルで様々な雑誌や新聞に掲載されたものを大括りしている。
「近況」の中に収められた「冷たい手」「小悪魔」「孫と新興国」
「カレンダーの余白」に収められた「宿題」「五家争鳴」(セミの話)が良かった。
ちょっと気難しげで気骨ある老人のつぶやきは示唆に富んでいる。
それでいて説教くさくない。
明治生まれの著者をとても身近に感じる一冊。