Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

「南の植物」

「南の植物」

佐々木尚友・上原梓共著 光風館 

 

奥付に昭和18年1月28日初版、19年10月5日再販2000部と記されていた。

定価2円、特別行為税相当額24銭、合計2円24銭。

特別行為税って何?と思って調べたら、国税庁のHPに

「特別行為税は、アジア・太平洋戦争末期の昭和18(1943)年から同21(1946)年にかけて、写真の撮影現像、調髪と理容美容などの整容、被服類の仕立てや染色・刺繍、書画の表装及び印刷製本といったものを「特別行為」として課税対象にしていた国税です。」

と説明されていた。

贅沢な行為からは税金とって戦費に当てるよということだったようだ。

しかし、この本は”大東亜共栄圏建設のため南洋の植物資源を大いに研究・開発するべく

日本の少国民に紹介した本”なので、当時の国の方針と合致していたように見受けられるが、

それでも税金はとられていたということなのだろう。

内容は結構専門的で、子供向けとは思えない充実ぶり。

清水市江尻宮代町●●番地 ・・・・・(氏名)」という蔵書印が押されていた。

蔵書印を持っているということは、少国民というより大人が読んでいたのだろうか。

それともある程度裕福なおうちの子供のものだったのだろうか。