「黙殺」畠山理仁著 集英社 2017年
副題が「報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い」。
いわゆる泡沫候補者の選挙戦を取材。
マック赤坂を中心に彼らの真剣な戦いをレポートする。
今回の選挙にも、様々な考えを持つ人達が立候補している。
賛成できかねる主張もあるかもしれないが、それを判断するためにも
これまで以上に候補者の政策をよく読もうと思った。
「ヒューマン・コメディ」
ウィリアム・サローヤン著 小川敏子訳 光文社 2017年
家計を助けるために電報配達をする14歳の少年ホーマー。彼の目を通して描かれるアルメニア移民たちの物語。
少しずつ登場人物が現れ、それぞれの生活が明らかになっていく。少年たちの健気さに胸を打たれ、彼らの幸福を願わずにいられない。
「ブックセラーズ・ダイアリー」
ショーン・バイセル著 矢倉尚子訳 白水社 2021年
クリスマス休暇で帰省した際に、故郷の古本屋を買ってしまった著者。アマゾンの攻勢など出版業界の変化を背景に、田舎の古書店の一筋縄ではいかない日々を綴る。
辛口なユーモアに満ちたショーンの書きっぷりが楽しい上、個性的すぎる客や従業員から目が離せない。特に店員のニッキーが最高。彼女がモリソンズの廃棄物入れから持ってくる食べ物(らしきもの)についてのショーンの表現が凄まじく、でも実際そう見えているのだろうと思うとおかしい。紙の本の将来が危ぶまれている昨今だが、本のある場所が存在することで人がつながり様々な文化を生み出していることが、よくわかった。