ディスコルシ
「ディスコルシ」
ニッコロ・マキアヴェッリ著 永井三明訳 筑摩書房 2011年
700ページ以上ある大作で、副題は「ローマ史論」。
ローマ史を例にひきつつ現代史(16世紀のフィレンツェ史)と比べながら
国家の建設、発展、維持、運営について論じている。
戦争の方法についてもページをさいて詳説。
目的は手段を正当化するという話や復讐の大切さ(?)などの論も展開されている。
ローマ史に疎い私だが、あまり苦にならず読了できた。
全体的な語り口がよかったのかなと思う。
真の武勇と勝利の経験があれば少しくらいで軍隊はびくともしないというようなことが
書かれていて、応援するサッカーチームの勝利を信じることができた。
これを読んでから、また君主論を読み直してみたくなった。
ピダハン
「ピダハン」
ダニエル・L・エヴェレット著 尾代通子訳
みすず書房 2012年

アマゾン奥地マイン川沿いに住む400人に満たない人々ピダハン。彼らの言葉には数や色、右・左などという単語がなく、創世神話や宗教も持たない。自分が見聞きした体験のみに重きを置き、その日その日を美しいピダハンの土地で生きることで絶対的な幸福を感じている。自分の価値観に合わない文明や外界からの知識は排除し、羨ましいと思うこともないらしい。自分のことは自分でやれという信念を貫いていて、子供でさえも子供扱いされない。祖先や祖父母を表す単語がないのは、彼らを実際に見たことがないから。
読んでいると、今まで当たり前だと思っていた常識が次々覆され、驚かされるとともに、この著者同様ピダハンの考え方の方が正しく理知的であり、より楽に生きることができそうだと思い始める。また、言葉を使ってコミュニケーションをとる際、いかに脆弱な根拠に基づいて話が通じていると思い込んでいたか考えさせられる。自分自身が幸福だと思う生活を自信を持って続けること、それに勝ることはないと感じた。
「南の植物」
「南の植物」
佐々木尚友・上原梓共著 光風館
奥付に昭和18年1月28日初版、19年10月5日再販2000部と記されていた。
定価2円、特別行為税相当額24銭、合計2円24銭。
特別行為税って何?と思って調べたら、国税庁のHPに
「特別行為税は、アジア・太平洋戦争末期の昭和18(1943)年から同21(1946)年にかけて、写真の撮影現像、調髪と理容美容などの整容、被服類の仕立てや染色・刺繍、書画の表装及び印刷製本といったものを「特別行為」として課税対象にしていた国税です。」
と説明されていた。
贅沢な行為からは税金とって戦費に当てるよということだったようだ。
しかし、この本は”大東亜共栄圏建設のため南洋の植物資源を大いに研究・開発するべく
日本の少国民に紹介した本”なので、当時の国の方針と合致していたように見受けられるが、
それでも税金はとられていたということなのだろう。
内容は結構専門的で、子供向けとは思えない充実ぶり。
「清水市江尻宮代町●●番地 ・・・・・(氏名)」という蔵書印が押されていた。
蔵書印を持っているということは、少国民というより大人が読んでいたのだろうか。
それともある程度裕福なおうちの子供のものだったのだろうか。