Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

30の神品

「30の神品 ショートショート傑作選」 江坂遊選 扶桑社 2016年 「一作家一作品の条件で「ショートショートの代表作を一冊にギュッと集めた本」。 星新一、山川方夫、筒井康隆など日本の作家はもちろん、 ヒッチコック、スレッサー、ブラッドベリなど海外作…

貧者の息子

「貧者の息子 カビリーの教師メンラド」 ムルド・フェラウン 水声社 2016年 フランス植民地下のアルジェリアに生まれ、小学校教員として働きながら作家活動をした著者の自伝的小説。アルジェリアでは国民文学とされてきたという。カビリー人の独特な文化や慣…

学問のあるロバの話

「学問のあるロバの話」 セギュール夫人 岩波少年文庫 1954年 ロバのカディションが飼い主に向けて書いた、という形をとった作品。 人間の言葉が理解でき知恵のまわるロバが、何人かの飼い主を経て 今に至るまでを回顧する。 知恵を働かせて人気者になるが、…

西欧の東

「西欧の東」 ミロスラフ・ベンコフ著 藤井光訳 白水社 2018年 ブルガリア出身の作家が故国を舞台に書いた短編集。 歴史に翻弄され、貧困と不自由さの中で生きる人々。 家族との絆や確執、主人公の複雑な内面が描かれている。 書き出しでぐっと引き込まれ、…