Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

使えない日本語

「使えない日本語」 放送批評懇談会 いれぶん出版 1976年出版当時の放送禁止用語および差別語に関する放送界の対応をまとめている。 差別語を言い換えても差別がなくならない限り、 その言い換え語もまたいつか放送禁止になっていくのではという危惧にうなず…

たるの中から生まれた話

「たるの中から生まれた話」 シュトルム 矢川澄子訳 福武文庫 1990年 「みずうみ」の作者による創作童話。 まえがきで粗製乱造されるファンタジーについて苦言を呈している。 1873年当時から、現代と同じことが言われているらしい。 いつの時代も似たような…

夢酔独言

「夢酔独言」 勝小吉著 勝部真長編 講談社学術文庫 2015年 勝海舟の父・小吉の自伝。 自らの半生を振り返り、子孫に自分を反面教師として 決して真似をするな!と伝えるために書かれた。 本当に好き放題でひどいことも多い。人の世話もかなりしているが、 と…

ギッシング短篇集

「ギッシング短篇集」 ギッシング著 小池滋編訳 岩波文庫 1997年 「ヘンリー・ライクロフトの私記」の著者ジョージ・ロバート・ギッシング (1857年〜1903年)が書いた短篇8つを選りすぐってまとめたもの。 迷いながら、自らの人生の櫂をうまく操れずにいる…

よろこびの日

「よろこびの日 ワルシャワの少年時代」 I.B シンガー著 工藤幸雄訳 岩波書店 2017年 ノーベル賞作家の自伝的小説。 第一次世界大戦前、ポーランドが三分割されていた時代のワルシャワが舞台。 当時のユダヤ人の生活が描かれる。 未知の世界に接するたびに新…

一千億の針

「一千億の針」 ハル・クレメント著 小隅黎訳 創元SF文庫 2016年 ゼリー状の異星人(捕り手)を体の中に住まわせることになった少年ボブ。 うまくいっていた共生関係はボブの体調不良という形で危機を迎えていた。 彼を治すため母性の異星人に連絡を取らねば…

20億の針

「20億の針」 ハル・クレメント著 鍛治靖子訳 創元SF文庫 2016年 宇宙からやってきた二隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。 一隻に乗っていたのは探偵(捕り手)であり、もう一隻には犯人が乗っていた。 両者とも人間ではなくゼリー状の半透体の生物。 優れ…

東京の編集者

「東京の編集者 山嵩登さんに話を聞く」 夏葉社 2017年 元新潮社の編集者で版画家の山嵩登さんに聞き書きした作家達との思い出。 ご本人が撮った昭和の写真がたくさん。 静かな語り口が伝わってくる一冊。 しみじみ味わい深い。