Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

瀕死の森、勇士の槍

「瀕死の森、勇士の槍」 ジョー・ケイン 新潮社 1999年 エクアドルのオリエンテ地方に居住するウアオラニー族。 石油採掘のために彼らの土地を破壊し奪おうとする米国企業。 ”野蛮”なのはどちらか、真の幸福とは何かを問うノンフィクション。

害虫殲滅工場

「害虫殲滅工場ーミバエ根絶に勝利した沖縄の奇蹟」 小林照幸著 中央公論新社 1999年 夏になると、我が家の食卓によく登場するゴーヤ。 あの苦味が、暑い時でも食欲をそそる。 今ではすっかりおなじみの野菜だが、 沖縄産のゴーヤが本州に上陸できるようにな…

朱鷺の遺言

「朱鷺の遺言」 小林照幸著 中央公論社 1998年 佐渡のトキ保護に尽くした佐藤春雄氏を中心に、 トキ保護センター職員でもあった高野高治氏、 最後のトキ「キン」の餌付けをした宇治金太郎氏など 地元の人々の地道な努力を綴る。 彼らのトキへの愛と、無念さ…

ブックライフ自由自在

「ブックライフ自由自在」 荒俣宏著 集英社文庫 1997年 古書コレクターである著者の本集めの日記。 1986年1月から1991年2月にわたり、 稀覯本への憧憬と、実際の購入にまつわるエピソードが語られる。 それにしてもすごいのは、日記の最初の日の章で すで…

一日江戸人

「一日江戸人」 杉浦日向子著 新潮文庫 2005年 江戸の人々の生活をテーマごとに面白く紹介している。 例えば「銭湯」について。 当時の銭湯は全国的に混浴で、江戸もそうだったが、 「寛政3年(1791年)に硬派の執政・松平忠信がこれを禁じ」ると、 「…

マイロ・スレイドにうってつけの秘密

「マイロ・スレイドにうってつけの秘密」 マシュー・ディックス著 高山祥子訳 創元推理文庫 2018年 ジャムの瓶を開けてポンッと音を聞く、ボウリングでストライクを出す、自分の頭に浮かんだ単語を他人の口から言わせる(それも自然な会話の中で)。 様々な”…

底抜けビンボー暮らし

「底抜けビンボー暮らし」 松下竜一著 講談社文芸文庫 2018年 年収200万円に満たない作家の随筆集。13歳年下の妻・洋子との貧しさを全く感じさせない幸せな日々。貧乏暮らしを目前にした私にとって、良い教科書になりそうだ。 21年前にこの本を読んだ…

川が死で満ちる時

「川が死で満ちる時 環境汚染が生んだ猛毒プランクトン」 ロドニー・バーカー著 大木奈保子・渡辺正隆訳 草思社 1998年 有毒渦鞭毛藻類フィエステリアの発見と、その被害について明らかにしたノンフィクション。魚を殺し、人体にも害を与えていたのが小さな…

りこうすぎた王子

「りこうすぎた王子」 アンドリュー・ラング作 福本友美子訳 岩波少年文庫 2010年 両親が洗礼式に妖精たちを招待しなかったばかりに、機嫌を損ねた年寄り妖精から「りこうすぎる王子になる」という贈り物をされてしまったプリジオ王子。あまりにも利口で他人…