Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

香りと歴史7つの物語

「香りと歴史7つの物語」 渡辺昌宏著 岩波書店 2018年 唐の時代、皇帝に接する全ての者は常に体臭に気を配らなければならず、宮中の女性達は芳気方という体臭を芳しくする処方で口や体から芳香を漂わせるよう努めていたという。 芳気方は現存する日本最古の…

小鼠ニューヨークを侵略

「小鼠ニューヨークを侵略」 レナード・ウイバーリー著 清水政二訳 東京創元社 1976年 コメディ映画にしたら面白そう・・・と思ったらすでに映画化されているらしい。 ヨーロッパの小国がアメリカに宣戦布告し、 結果的に世界平和をもたらすというファンタジ…

飛ぶ教室

「飛ぶ教室」 ケストナー著 丘沢静也訳 光文社 2006年 タイトルだけは知っていたのに、ずっと読まずにいたが、驚きの名作だった。 ギムナジウムの少年たちの一生懸命さが胸をうつ。 美しく切ない姿は正視できないくらいだ。 電車の中で読んで涙をこらえるの…

一年中わくわくしてた

「一年中わくわくしてた」 ロアルド・ダール著 久山太一訳 クェンティン・ブレイク絵 評論社 2000年 ロアルド・ダールが英国の田舎に暮らしていた子供時代を振り返ったエッセイ。 1月から12月まで順番に四季の素晴らしさと当時の思い出を語っていく。 挿…

牧羊犬シェップと困ったボス

「牧羊犬シェップと困ったボス」 マージョリー・クォートン著 務台夏子訳 東京創元社 2005年 アイルランドを舞台にしたほのぼのとしたお話。 牧羊犬シェップの一人称で語られる田舎の家族の様子が微笑ましい。 大きな事件が起こるわけでわないが、読んでいる…

こんなとき私はどうしてきたか

「こんなとき私はどうしてきたか」 中井久夫著 医学書院 2007年 精神科医として現場で重ねた経験を、医療従事者に語った講義録。 大変わかりやすく、興味深く読み進むことができる。 患者に対する接し方を話しているが、それは患者でない人と接する際にも通…

脱北者

「脱北者」 韓元彩著 2002年 北朝鮮から三度逃げようとして、とうとう果たせぬまま同国内で殺された男の手記。度重なる拷問で廃人寸前になりながらも奇跡的に三度目の脱出に成功、韓国への亡命を目前にしながら強制送還されてしまった。同氏はその三日後に死…

キーパー

「キーパー」 マル・ピート著 池央耿訳 評論社 2006年 サッカーのゴールキーパーが主人公の小説。 GK好きにはたまらない。 フィクションでありながら迫真の描写に引き込まれ 本当の話かと思ってしまいそうだ。 ベタなストーリーで、結末がわかっていても 読…