Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

父さんのSh*t(クソ)発言、つぶやきます

「父さんのSh*t(クソ)発言、つぶやきます」 ジャスティン・ハルパーン著 仲達志訳 cccメディアハウス 2010年 副題が「毒舌オヤジとぼくとツイッター」。 毒舌と言っても、内容は至極真っ当だ。言い方も気が利いていて面白い。 お父さんは、一本筋が通った男…

空気枕ぶく先生太平記

「空気枕ぶく先生太平記」 夢枕獏著 集英社 2002年 夢枕獏自身をパロディ化したと思われる小説。 ハチャカワ書房の編集者が語る作家の暴露本という体裁。 菊池ひどゆき先生は「馬飼都市所沢」を発表、 ぶく先生は「限りなく透明に近いループをめぐる不夜城の…

新編 閑な老人

「新編 閑な老人」 尾崎一雄著 荻原魚雷編 2022年 中央公論新社 「暢気眼鏡」で芥川賞を受賞した作家の作品集。 作品を読むのはこれが初めてだったが、「昔日の客」(関口良雄著)に出てきた古書店主と作家のエピソードを元にした小説があり、一気に距離が縮…

楢山節考

「楢山節考」 深沢七郎著 新潮社 映画のシーンに見覚えはあるが、原作は未読だった。 夏の暑さの最中に読んだのに足元から冷えてくるような恐ろしい短編だった。 生への執着ゆえの、他者の生命の軽さのようなものが流れていて怖い。