Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ぼくは死んでいる

「ぼくは死んでいる」 フィリップ・ベッソン著 稲松三千野訳 早川書房 2005年 死んでしまったぼく(ルーカ)、その恋人のアンナ、 男娼でルカのもう一人の恋人レオの三人がそれぞれ一人称で語り続ける小説。 ルーカはフィオレンティーナのサポーターだったら…

ブライヅヘッドふたたび

「ブライヅヘッドふたたび」 イーヴリン・ウォー著 吉田健一訳 筑摩書房 1990年 うっとりするような文章があって心に残った作品。 セバスチアンの滅びゆく美少年ぶりも魅力的。 彼の台詞を間近で聞いたらきっと恋してしまうことだろう。 「・・・車と、苺が…

人間の顔は猿よりこわい

「人間の顔は猿よりこわい 高校生創作名言633選」 都立一橋高校名言研究会 ベストセラーズ 1996年 「意志の弱い人ほど物に頼る」 「ちゃんとした意志があれば足どりも軽くなる」 「あせるとあせることしかできない」 「腹が立ったら寝るのが一番」 「勇気の…

「ママは何でも知っている」

「ママは何でも知っている」 ジェイムズ・ヤッフェ著 小尾芙佐訳 早川書房 刑事の”僕”が解けない謎を、ママに話すとあっという間に解決してしまう。 安楽椅子探偵もの。 実際に執筆されたのは結構昔なのに、とても現代っぽい。 嫁と姑のやりとりが面白い。

眠る前に読む短いエッセイ

「眠る前に読む短いエッセイ」 ペーター・バヘーア著 畔上司訳 草思社 2005年 ドイツの週刊新聞ヴェルト・アム・ゾンタークに連載されたコラムをまとめたもの。 ドイツではほぼ毎年刊行され、この本が書かれた当時で10冊にもなっているという。 読みやすく、…

ディナモ

「ディナモ ナチスに消されたフットボーラー」 アンディ・ドゥーガン著 千葉茂樹訳 晶文社 2004年 涙・・・。 ヨーロッパのクラブチームが背負っているものの重さは日本とは桁違いだ。 ウクライナにこんな不幸な歴史があったことを、恥ずかしながら初めて知…

ロシア・サッカー物語

「ロシア・サッカー物語」 大平陽一著 東洋書店 2002年 ロシアサッカーの歴史がわかる一冊。 63ページしかないブックレットだが、よくまとまっており面白い。 欧州CLに出てくるロシアやウクライナのチームの背景に こういう歴史があったことを知ることができ…

裏本時代

「裏本時代」 本橋信宏著 飛鳥新社 1996年 1980年代、裏本制作の現場から、写真週刊誌スクランブルの創刊と廃刊までを綴ったノンフィクション。後にAV監督村西とおるとして一世を風靡する人物の横顔を克明に描写しつつ、著者が経験した嵐のような日々を鮮や…

白鹿亭綺譚

「白鹿亭綺譚」 アーサー・C・クラーク著 早川書房 1980年 ロンドンの裏通りにあるパブ「白鹿亭」で 水曜の夜に繰り広げられる嘘のような話の数々。 SFホラ話集。ラストがなかなか良い。