Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

探偵ダゴペルトの

「探偵ダゴベルトの功績と冒険」

バルドゥイン・グロラー著 垂野創一郎訳 東京創元社  2013年

 

探偵ダゴベルトの功績と冒険

 

音楽と犯罪学を愛する高等遊民ダゴベルト。

友人のグルムバッハ夫妻宅の晩餐後、喫煙室で彼が解決した事件について語り出す。

もったいぶった喋り方に、聞き手の「奥様」はじれったくてたまらない様子だが、

丁寧で皮肉のこもった言い回しが、この小説の魅力。

子供達の階級闘争

「子供達の階級闘争」 

ブレイディみかこ著 みすず書房 2017年

 

イギリスの底辺託児所で保育士として働く著者。

階級社会である上に、人種問題や経済格差などが加わり、

分断された社会が出来上がっている。

それが如実に反映されているのが低所得者層向けの保育所の子供達。

やりきれない思いを抱えながらも、光の見える方向を探し、保育士たちは戦っている。

誰がアパレルを殺すのか

「誰がアパレルを殺すのか」 

杉原淳一・染原睦美共著 日経BP社 2017年

 

誰がアパレルを殺すのか

 

買いたい服が見つからないと思っていた理由がわかった。

巷に溢れるブランドは、同じ会社が乱立させた

実は同じような服を打っている店だったのだ。

もちろんそうではない店もあるのだろうが、

なんだか服を買うことに積極的になれない気分に。

雨やどり

「雨やどり」 半村良著 

 

新宿のバー「ルヰ」の主人を主役にした連作短編集。

古き良き時代の新宿を舞台に夜の世界を生き抜く男女の機微が描かれる。

少々古い感じもするが、レトロな魅力ということで、ドラマ化しても面白そう。

歩いてわかった地球のなぜ!?

「歩いてわかった地球のなぜ!?」 

松本穂高著 山川出版社 2017年

 

自然地理学の視点で様々な土地の特徴的な現象を紐解いた本。

「渡り鳥はなぜ集まる」(朝鮮半島の38度線の歴史)

「ライオンはなぜ水を吐く」(シンガポールの水環境)など

地形や気象、歴史や政治といった様々な要素が絡み合って起きている現象を

根拠をあげて解説している。

明治の男子は、星の数ほど夢を見た

「明治の男子は、星の数ほど夢を見た」

和多利月子著 産学社 2017年

 

明治の男子は、星の数ほど夢を見た。 和多利 月子(著/文) - 産学社

 

エルトゥールル号義捐金をトルコへ届けたことをきっかけに

日本とトルコの架け橋となった山田寅次郎の伝記。

実の孫が実家に眠っていた資料などをもとに執筆した。

トルコが親日国家になるために大いに寄与した人物だったようだ。