Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

孤独な散歩者の夢想

「孤独な散歩者の夢想」 ルソー著 今野一雄訳 岩波書店 1960年

 

世間から追われ田舎に引っ込んだ老人の繰り言。なぜここまで人々に対し呪詛の言葉を語り続けなければならなかったのだろうか。もう自分は孤独のうちに精神の安定をみているので他人はどうでもいいという立場をとりながらも、いつまでもくすぶる恨みが見え隠れして、そのパワーに驚かされる。

善行をすると2度目以降、その継続が義務化していくことの心の負担についてのくだりは、なるほどなあと思った。