2021-05-23 博士の愛した数式 「博士の愛した数式」 小川洋子著 新潮社 2003年 全て失われることを前提に書かれているため 読んでいる間中、かすかな胸の痛みにさいなまれ続ける。 ”未亡人”の立場で読むと、究極のラブストーリーでもある。 永遠に愛し続けてくれているものの、その愛の対象である自分は 過去の自分でしかないという状況は悲しい。 しかし、決して自分以外を愛することはないという事実は甘美すぎる。