Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

博士の愛した数式

博士の愛した数式

小川洋子著 新潮社 2003年

 

 

博士の愛した数式 小川 洋子(著) - 新潮社

 

全て失われることを前提に書かれているため

読んでいる間中、かすかな胸の痛みにさいなまれ続ける。

”未亡人”の立場で読むと、究極のラブストーリーでもある。

永遠に愛し続けてくれているものの、その愛の対象である自分は

過去の自分でしかないという状況は悲しい。

しかし、決して自分以外を愛することはないという事実は甘美すぎる。