Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

香りと歴史7つの物語

「香りと歴史7つの物語」

渡辺昌宏著 岩波書店 2018年

 

唐の時代、皇帝に接する全ての者は常に体臭に気を配らなければならず、宮中の女性達は芳気方という体臭を芳しくする処方で口や体から芳香を漂わせるよう努めていたという。

芳気方は現存する日本最古の医学書・医心方にも作り方が書かれており、丁子・甘松香・麝香など計10種の原料を複雑な工程を経て錠剤にするのだとか。

これを飲むと口、体、着ている服、やがては抱いた子供まで香るようになるらしい。

信長の蘭奢待楊貴妃の竜脳、アレクサンドロス大王が好んだ乳香など、古代から現代までの香りの物語。岩波ジュニア新書なので、とてもわかりやすい。