Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

ほとけの履歴書

「ほとけの履歴書」 

薮内佐斗司著 NHK出版 2010年

 

せんと君の生みの親でもある彫刻家が奈良の仏像について易しく解説。

実際に行ったことのある所がたくさん出てきて楽しめた。

お経というのは、釈迦の言ったことを弟子がそれぞれに解釈してまとめたものらしい。

いわば知恵の書だ。これまで特に興味を持ったことはなかったが、哲学などと一緒で、

人がより良く生きるにはどうすればいいのかということ書いたものなのかも。

ダンナ様はFBI

「ダンナ様はFBI」 田中ミエ著 幻冬舎文庫 2012年

 

ダンナ様はFBI

 

元FBIの夫との結婚生活を描いたエッセイ。

ダーリンの意見は物事の核心をついている。

日常生活に役立つアドバイスも。

初対面の人には時間差で2回笑いかけろとか

インタビューの最初にその人にしか答えられない質問をすると

その人への関心を示すことができ、相手への尊敬をアピールできるとか。

 

単行本発売時に元気だった彼は、文庫化の前に亡くなってしまったことが後書きで判明。

すごく悲しくなった。

平常心を鍛える

「平常心を鍛える」 下園荘太著 講談社 2011年

平常心を鍛える 自衛隊ストレスコントロール教官が明かす「試練を乗り切るための心の準備」

自衛隊ストレスコントロール教官が明かす「試練を乗り切るための心の準備」が副題。

惨事の後のショックであるファーストショック、

時間が経ってから生じるセカンドショックへの準備と対応を教えてくれる。

とにかく疲れていると人はダメなんだなと感じた。

人間は自らの縄張りと権利を侵されると、不安から怒るということが良くわかる。

ショートケーキを許す

「ショートケーキを許す」 

森岡督行著 雷鳥社 2023年

 

ショートケーキを許す 森岡 督行(著/文) - 雷鳥社

 

森岡書店代表の著者が名店のショートケーキを

あふれる愛とともに紹介するエッセイ。

題名の「許す」が気になって手にとった。

その意味は、帝国ホテルのショートケーキについて書かれた箇所で明らかに。

「愛するとは許すということ」という言葉が

大きな広がりを持って自分の中に沁みわたり、

いろいろなものを許したくなってくる。

 

ネジマキ草と銅の城

「ネジマキ草と銅の城」

パウル・ビーヘル著 野坂悦子訳 福音館書店 2012年

 

銅の城に住む年老いたマンソレイン王とノウサギ

弱ってしまった王を救うため、まじない師が薬草であるネジマキ草を探しに行く。

まじない師が戻るまで何とか王を元気付けなければと

動物たちが次々訪れて、王の心臓の鼓動を強くするようなお話を語る。

最後に現れる小人の話により王国の歴史が明らかに。

 

〈眠り〉をめぐるミステリー

「<眠り>をめぐるミステリー」 桜井武著 N H K出版 

 

記憶に関する本を併読していたのでより楽しめた。

ノンレム睡眠は記憶を定着させ、レム睡眠は情動の強弱によって

記憶の重要性のタグをつけているのだそうだ。

夢は記憶の断片だという。

金縛りはレム睡眠時に首から下が麻痺しているから起こるとあり、

恐怖が薄らいだ。

変えてみよう!記憶とのつきあい方

「変えてみよう!記憶とのつきあいかた」 

高橋雅延著 岩波書店 2011年

 

自分にとっての記憶のありようを変えることができるという話。

人との絆は同じ思い出を共有し、

それを一緒に思い出す機会を持つことでより深まっていくとか、

嫌な記憶はそれを思い出す物などを身の周りからなくしてしまうのが良いとか、

言われてみれば当たり前のようなことだが、

学問的な裏付けがあって明言されると納得できる。

記憶とうまく付き合っていきたいなと感じた。