「マイロ・スレイドにうってつけの秘密」
マシュー・ディックス著 高山祥子訳 創元推理文庫 2018年
ジャムの瓶を開けてポンッと音を聞く、ボウリングでストライクを出す、自分の頭に浮かんだ単語を他人の口から言わせる(それも自然な会話の中で)。
様々な”要求”が突然にしかも頻繁に発生し、それを満たさないことにはどうにもならない。そんな秘密を抱えて生きている32歳の訪問介護士マイロは、公園で拾ったビデオテープを見たことから生活が一変する。
多かれ少なかれ人は誰でも変わったところを持ち合わせている。「いいじゃん、それで」という台詞が誰に言うでもなく浮かんできた。