Coataroの読書ときどきヒトリゴト

本を読んで感じたことなどを記しています。

ブックライフ自由自在

「ブックライフ自由自在」 荒俣宏著 集英社文庫 1997年

 

古書コレクターである著者の本集めの日記。

1986年1月から1991年2月にわたり、

稀覯本への憧憬と、実際の購入にまつわるエピソードが語られる。

それにしてもすごいのは、日記の最初の日の章で

すでに「この十年間に一億円分は買った!」と記していることだ。

1冊百万円を越す本を買う際の言い訳(?)は

「悪い女に騙されて身ぐるみ剥がされた」。

スタート時点でこの状態だが、もちろんこの後も買いまくる。

 

貴重な古書についての説明が面白いのはもちろん、

本以外には無関心すぎる荒俣氏の変人生活ぶりに驚かされる。

久々に米を炊いてサンマを食べようとしたら、醤油が切れていた。

その醤油を買ったのは7年前だという。

その後、「平凡社大博物図鑑」執筆のために同社に住み込んだリ、

読んでいると心配になるような日々を過ごしていた荒俣先生。

今、テレビでお姿を拝見できているので、ご無事で何よりです。