「なかないで、毒きのこちゃん」
デイジー・ムラースコヴァー著 関沢明子訳 理論社 2010年
「森のむすめカテジナのはなし」という副題の通り
チェコの森に住む女の子が森のいきものたちと交わす会話が
お話になっている。
動植物たちは皆、個性的。
森は素敵で多彩な出来事に満ちている。
読んでいると、森で暮らしたいという憧れが増す一方、
何か異なるメッセージを受け取っているような気もしてくる。
この物語は森の中を語っているようで、
この世界、すなわちそれぞれの”私”が暮らす全ての世界のことを
語っているようでもある。
童話でありながら、大人へのメッセージを多く内包している作品に感じられた。