トイレは世界を救う
「トイレは世界を救う ミスター・トイレが語る貧困と世界ウンコ情勢」
ジャック・シム著 近藤奈香訳 PHP研究所 2019年
世界では、屋外で排泄しなければならないために
レイプ被害にあう女性がいるという。
WTO(世界トイレ機関)を2001年に立ち上げ、
安全で清潔なトイレ環境の普及に努めている著者。
トイレが大切だということはもちろん
何かを実現するためにはどうすべきかについて
実に明快に書かれている。
特に人の感情を利用する方法が効果的だということを
実例を挙げて説いている。
人は自分に利益があると思った途端に動き出す。
また、自分の出したアイデアを、他の人がさもその人が思いついたかのように
行動しだしたら・・・という問いには、
むしろどんどんそう思い込むように仕向けたほうが良いと言う。
それでプロジェクトがうまくいき、望んだ結果が実現できるならOKという考えだ。
確かに人は、他人から言われてやるよりも
自分が考えてやった(と思い込んでいる?)ことの方に力を入れる。
実際に自分の職場などで既に実感していたことを、
ほかの人の言葉と実例で再確認できた感じ。
何かをやりたいと思っている人、逆に何だかやる気が出ない人
どちらの気分の人にもお薦めしたい一冊。